トリニティ・ブラッドRage Against the Moons II
   MISSION[III] OVERCOUNT

■ 収 録 ■

 第7話 包囲網/第8話 クルースニク/第9話 仲間

■ 出 演 者■
 アベル:一条和矢/レオン:大塚明夫 /トレス:緑川 光/アルフォンソ:広瀬正志
 ケンプファー:速水奨/ディートリッヒ:結城比呂/ブラザー・マタイ:三木眞一郎
 ブラザー・アンデレ:福山潤/モンテセッコ:中村秀利/
 曹長:木村雅史/警官:蓮池龍三/特務警察:菅原淳一/シスター:前田ゆきえ

 ※カテリーナ役の深見梨加さんは他の仕事の都合で後日別収録でした。
■ 録 音 ス タ ジ オ■
 APUスタジオ

私が現場に到着した頃には前室(控え室のような部屋)で脚本のとまとさんやアベル役の
一条和矢さんがまったりと(?)語らっておりました。
挨拶をして先に進むとブース内にはケンプファー役の速水奨さんとディートリッヒ役の
結城比呂さんがシナリオを片手に静かにスタンバイ中。
なんてことない光景なのでしょうが、この時点ですでにオーラをビンビンに感じました。


そんなこんなで、収録開始です。

本来ならならば第7話の(1)からテストを開始するところですが、この日のは役者さん
のスケジュールの都合もあり8話の(4)からのスタートとなりました。

場面はアベル、カテリーナとケンプファーが対峙するシーン。
カテリーナ役の深見梨加さんは”ヌキ録り”だったので、カテリーナの台詞を飛ばして、
アベルとケンプファーの会話だけで進んでいきました。
ケンプファーの冷静な美声からスタートして、対するアベルは苦痛の絶叫。
何度見ても一条さんのスイッチの入り方は感動もので。
役者として当然のことなのでしょうが、ほんの数秒前まで普通のテンションで話をしていた
人が、マイクの前に立ったとたんに苦痛に喘ぐアベルそのものになっているのですから、
素人としては感心するばかりです。

その後、順調に9話の収録にうつり、スタジオにレオン役の大塚明夫さんがスタンバイ。
見るからに、もう、”レオン以外の何者の声でもない”感じでした。

場面は引き続きアベルVSケンプファー。
この時点で”クルースニク02”になったアベルを演じる一条さんは、これまた素晴らしく、
あの優しい神父の声はどこへやら。BGMも効果もないのに素で怖いお声…(汗)
”クルースニク02”から”アベル”に戻る(?)その瞬間の声色の変化に注目です。

更に録音は進み、ラジオ(CD)ドラマ初のレオン、ケンプファーの絡みのシーンへ。
スタッフからも思わず「豪華だなぁ…(大塚さんと速水さんの絡みが)」と声が漏れる程の
豪華っぷり。

更にココにトレスが登場。更に更にディートリッヒも登場。
なんだか色んな意味でものすごく.:*豪華*:.でした。
そして、そのままトリニティ・ブラッドR.A.M II最終話(第9話)の収録は無事終了し、
続いて第7話に戻って収録は続きました。
この時点で出番の終わった結城さんは「お疲れさまでした」となりましたが、入れ代わりに
アルフォンソ役の広瀬正志さんや今回のラジオ(CD)オリジナルストーリーにて小説より先
に登場となった異端審問官ブラザー・マタイ役の三木眞一郎さんなどがスタジオに登場して
豪華さも更に見事に。

この第7話で注目すべきキャラは異端審問官。
ラジオ(CD)ドラマ初登場、のみならず小説にもまだ登場していない異端審問官ブラザー・
アンデレ。 ”正義心の強い熱い少年”のイメージのある彼を演じたのは福山潤さん。
この熱いアンデレとマシーンであるトレスの温度差のあるやりとりにスタッフ一同にやり。
熱く語るアンデレの言葉を無視したカタチのトレスの「ファイア」には誰もが痺れます(笑)
同じく初登場となったブラザー・マタイの優し気な口調の冷徹さ(?)にも注目です。
原作には出てこなかったこのオリジナルエピソードは聞き逃せないですよ。

さて、場面は変わってアルフォンソとカテリーナ。
実はこのアルフォンソは本物ではなくケンプファーだった…という筋で、アルフォンソの声
から次第にケンプファーの声へと変わってゆきその場にケンプファーが現れる…というシーン
があるのですが、この時、一条さんの遊び心(?)が芽生えたらしい出来事がありました。
カテリーナの「その声は…!」の後、姿を現したケンプファーの台詞があり、その後アベルが
「……やはり、あなたでしたか」と呟くシーン。
テスト時に一条さんから発せられた台詞は 「……やはり、あなたでしたか。速水さん。」。
これには思わず速水さんも他の役者さんも笑顔に(笑)
…突然のアドリブというか、なんというか。真面目なシーンだっただけに笑いました(^^;)
結局、この台詞そのものが時間の関係で削られてしまったような気がするのですが、一条さん
(おそらく)が「そら、声でわかるっちゅーの」みたいなつっこみをしておりました。
なにせ「ふふふ」と笑った声だけでもケンプファー(速水さん)以外の何者でもないんです
から(笑)

そしてこのシーンの録音も無事終わり、「まだまだ収録続くぞ」といった所で、なんとアベル
の録り終了。
主役なのに早々と「お疲れさまでした〜」と録音ブースから出て来た一条さんに思わず
「え?うそ。アベル終わりだっけ??」
とスタッフも笑っておりました。
これも8話の最後から収録が始まった結果なのですが、主役が最後までいないのは変な感じ
でした(^^;)
ここでアベル、ケンプファーが「お疲れさまでした」になり、残るは主にレオン、トレス、
異端審問官ブラザー・マタイ、ブラザー・アンデレの出番。
非常にテンポも良く、とてもカッコ良かったです。

大塚さんは口を開けば素でレオンそのものの勢いで。
反対に緑川さんはトレスのキャラを壊さぬように息のつき方ひとつにも細かく真剣に質問して
みたり。どちらも完成してみれば完璧に声だけでレオン、トレスを作り上げていました。

本筋の間に”ガヤ”の録りも行われます。
突然現れた異形のモノに逃げまどう人々やら大勢の警官の声やら、大人数のモブの声の中に
実は主役陣の声も混じっていたりします。聞き分けられる人はいないと思いますが(笑)

更にこのガヤ録りで密かに影でご活躍なさった方がひとりいらっしゃいました。
この日、唯一の女性の役者さんであった前田ゆきえさん。
演出さんからの「次、36才」「次、24才」というようなちゃめっけのある(?)リクエスト
に答えつつ、小さな子供から年若いシスター、おばさんまで声を替え台詞を替え、たったお一人
で演じられました。ラジオではわからないと思いますが、実は逃げまどう女性の声全てが前田
さんのお声だったするんです(笑)
終わった後には周りを囲んだ大勢の男性役者さんやスタッフからも拍手が贈られました。
お疲れさまでした。


そんなこんなで、「またやりたいですね〜」の声を残しつつも無事に最後の収録終了。

一定の緊張感が続きつつも非常に楽しい現場でした。

(管理人R)